知っておきたいドローンの規制14種類!佐賀で飛ばせる場所の見つけ方
「ドローンを初めたいけど、どこで飛ばせるかわからない」
「規制が多くてよくわからない」
「違反していたらどうしよう、自信がない」
このような声をよく耳にします。ドローンに関する規制は陸、空、電波など多岐に渡るため、専門知識がないと自分がきちんとルールを守れているのか不安に感じるのではないでしょうか。
そんなあなたのために、ドローンに関する規制14種類をまとめました。
自信をもってフライトできるよう、飛ばせる場所の見つけ方もご紹介します。
ドローンの規制1:航空法
ドローンの規制で真っ先に思い当たるのが「航空法」ではないでしょうか。飛行機などの航行の安全および障害の防止などを目的としている法律です。
ドローンに関する規制も2015年に追加され、ドローンの本格運用にむけて日々改正されています。
大きく分けて①飛行禁止空域と②飛行の方法に関するものがあります。
①飛行禁止空域
ドローンの飛行が禁止されている空域は下記の4つ。
- (A)空港等の周辺(進入表面等)の上空空域
- (B)緊急用務空域
- (C)150m以上の高さの空域
- (D)人口集中地区(DID)上空の空域
A〜Cは航空機の航行の安全に影響をおよぼす恐れがある空域です。
これらの空域で飛行させる必要がある場合は、申請や許可が必要となりますので、適切な箇所へ問い合わせをしましょう。(詳しい連絡先は国土交通省のサイトをご参照ください)
(B)緊急用務空域は、警察、消防活動等緊急用務を行うための航空機の飛行が想定される場合に、無人航空機の飛行を原則禁止する空域(緊急用務空域)が指定され、航空局からお知らせがあります。
災害などは予測できないため、飛行前には最新の情報をチェックする癖をつけましょう。
(C)150m以上の高さの空域に侵入しないよう、飛行前には高度制限の設定を。
(D)人口集中地区(DID)は人または住宅が密集している地域の上空です。人口集中地区の境界は、5年毎の国勢調査の調査区地図を基に設定されています。
最新の情報は「地理院地図」にて確認できます。地図に反映させたい情報が選べるようになっているので、「空港等の周辺空域(航空局)」と「人口集中地区 令和2年(総務省統計局)」を選択し、実際に飛行させたい場所が該当しないか必ず調べましょう。
②飛行の方法
飛行させる場所にかかわらず、下記の内容を守るようにしましょう。
- 飲酒時に飛行させてはならない
- 人やモノに向かってドローンを飛行させるなど危険な飛行をしてはならない
- 夜間にドローンを飛行させてはならない(夜間飛行)
- 操縦者の目視内にドローンがない状態で飛行させてはならない(目視外飛行)
- 第三者又は第三者の建物、第三者の車両などの物件から30m未満の距離で飛行させてはならない
- 祭礼、縁日など多数の人が集まる催し場所の上空で飛行させないこと
- 爆発物など危険物を輸送してはならない
- 無人航空機から物を投下してはならない
ちなみに、農薬散布をする場合は「⑦危険物の輸送」と「⑧物件投下」の申請を国土交通省に行う必要があります。最大で1年間の包括申請が可能となっていますが、航空法だけでなく、農薬取締法も関連しますので、農林水産省のホームページも合わせて確認してくださいね。
航空法に違反するとどうなる?
50万円以下の罰金に処されます。実際に無許可の国土交通省に報告のあった事故の一覧がこちらで公表されていますが、操縦経験が10時間以上ある場合でも多くのトラブルに見舞われていることが分かります。墜落、制御不能、紛失、緊急着陸など、いつ誰におこってもおかしくない事態ですので、飛行前の安全確認の重要性を忘れないようにしましょう。
ドローンの規制2:小型無人機等の飛行禁止法
国が定める重要施設およびその周辺300mでは、ドローンの飛行は原則禁止となっています。注意したいのは、小型無人機等の飛行禁止法には重量制限がなく、100g未満のドローンも規制の対象となっている点です。
対象施設は国会議事堂や外国公館、防衛関連施設、空港、原子力事業所などです。
違反した場合には1年以下の懲役、または50万円以下の罰金に処せられます。
佐賀県の場合は、
- 玄海原子力発電所
- 陸上自衛隊目達原駐屯地
- 航空自衛隊脊振山分屯基地
が対象となっています。
ドローンの規制3:電波法
ドローンが飛行するためには送信機から送信される電波が重要な役割を果たします。電波には周波数があり、総務省によって周波数帯が振り分けられています。
たとえば、家でWi-Fiを使って動画視聴している時に、電子レンジを使うと映像が乱れてしまったことはありませんか?これは使用している周波数が2.4Ghzで同じなので、同時に使用すると電波が干渉し、Wi-Fiの通信が切れてしまうのです。
これと同様に、ドローンにも事前に規定された周波数帯があり、コントローラーに使われている周波数の多くは「2.4Ghz帯」です。その場合特別な許可や資格は必要ありませんが、注意しておきたい周波数は、ドローンレースで用いられるFPVゴーグルで使われることの多い「5.8Ghz」です。
5.8Ghzの場合には、アマチュア無線免許や陸上特殊無線技士の資格が必要となります。知らずに違反してしまうことのないよう、ドローンを購入する際にはチェックしましょう。
ドローンの規制4:都道府県、市町村などの条例
国土交通省がまとめた無人航空機の飛行を制限する条例等の一覧があります。
佐賀県では、県が管理する都市公園について、原則ドローンの飛行が禁止されています。
これは、佐賀県立都市公園条例の「他人へ迷惑、危害を及ぼす行為、又はその恐れのある行為」に該当しており、航空法と同様、重量が100g以上のドローン=無人航空機の飛行を禁止しています。
なお、対象となる佐賀県の都市公園は以下の通りです。
- 吉野ヶ里歴史公園
- 佐賀城公園
- 森林公園
ただし、別途許可を受けた者や、国土交通大臣の承認を受けた場合の飛行において、公園上空を通過するのみであれば禁止の対象外としています。
また、条例ではありませんが、毎年開催されている佐賀インターナショナルバルーンフェスタでも会場全域での飛行が禁止されています。重大事故等の防止の観点から、使用を控えるようにしましょう。
ドローンの規制5:プライバシー・肖像権や個人情報保護法
飛行場所のルール以外にも気をつけたいのが、撮影した映像の取り扱いについてです。第三者のプライバシーや肖像権を守るため、個人情報保護法にも触れておきましょう。
総務省から、撮影した映像をインターネット上にアップする際のガイドラインが公開されています。
撮影時に住宅内部が映らないようカメラの向きに配慮し、やむなくインターネット上に公開する必要がある場合はぼかし処理を行うなど、モラルを守った行動をお願いします。
ドローンの規制6:私有地(民法)
航空法の規制対象外であったり、許可承認を受けていれば、田んぼの上空など、他人の私有地で飛行させてよいのでしょうか?
結論から言うと、飛行する土地の上空が所有者の権利を侵害していた場合は、民法により損害賠償請求やドローンの飛行を差し止めを受ける可能性があります。
実際、自宅の上空を見知らぬドローンが通り過ぎるのは気持ちのいいものではありませんよね?
ドローンを飛ばす際は、その土地の所有者を確認し、事前に承諾を得るようにしましょう。
ドローンの規制7:道路交通法
ドローンと道路は一見関係がないように思われますが、ドローンの離発着時や、ドローンの飛行によって交通の円滑を阻害する恐れがある場合、または人が集まることで、一般交通に著しい影響を及ぼす場合には、道路使用許可が必要となります。
ドローンの規制8:河川法・海岸法
河川の利用については、公共の利益や他人の活動を妨げない限りにおいて、自由に使用できることが原則となっていますが、ドローン利用の増加や、利用形態が変化することにより、河川管理の観点から制約を設ける必要が生じる可能性があります。
国土交通省がまとめた「河川におけるドローン利用」によると、河川区域内にも民有地が多数存在しており、全国の直轄河川の河川敷の約1/4が民有地となっています。
一部の河川では、水面も含めてDID地区となっているため、利用するエリアの管理者に確認しましょう。
ドローンの規制9:港則法・海上交通安全法
海上でのドローンの使用については、基本的に港則法及び海上交通安全法に基づく許可又は届出は不要です。
ただし、ドローンの使用にあたって、作業船を配置する場合や海上にブイなどの工作物を設置する場合は、船舶交通に影響を及ぼすおそれがあることから、港則法(こうそくほう)及び海上交通安全法に基づく許可又は届出が必要になります。
その他、ドローンを使った海上でのイベント時などにも許可が必要となります。
ドローンの規制10:都市公園法・自然公園法
都市公園において、ドローンは基本的に「公園内持込禁止品」と掲示されていることが多いため、事前に確認しましょう。
自然公園とは、優れた自然の風景地であり、環境大臣または都道府県により指定された公園のことをいいます。国立公園、国定公園、都道府県立自然公園の3つに分類され、指定権者も異なります。都市公園と比較すると、自然公園におけるドローン飛行は比較的緩やかな傾向がありますが、下記の点に注意しましょう。
- ドローンの墜落などによる木竹や野生生物の損傷
- 立入禁止地区・利用調整地区に立ち入ってはならない
- 他の利用者に著しく迷惑をかける行為を行ってはならない
- 飛行時の騒音による自然景観及び野生生物への影響
ドローンの規制11:文化財保護法
姫路城にドローンが衝突した事故が大きなニュースとなりました。文化財を守るためにも、ドローンを飛行させる際は、対象物から30メートル以上の間隔が保たれていることを直接、目で確認しましょう。ただし、所有者や管理者がドローンの飛行を禁止する表示をしている場合は、飛行させることができません。
ドローンの規制12:ドローンの機体登録制度(2022年6月より義務化)
ドローンを屋外で飛行させるために必要な手続きが2022年6月より追加されました。機体購入後は、ドローン登録システムにて「機体登録」が義務となっています。
国交省へ飛行申請を提出する際にドローン登録システムの登録記号を求められるため、ドローン登録システムへ登録を行った後に国交省へ飛行申請を提出しましょう。
参考:国土交通省 無人航空機を屋外で飛行させるために
ドローンの規制13:リモートID機器の搭載(2022年6月より義務化)
機体登録と合わせて、「リモートIDの搭載」も義務化されました。2022年6月19日までに事前登録した機体はリモートID機器の搭載は免除されますが、それ以降に登録、購入した機体はリモートID機器を搭載していなければ飛行させることができません。
外付けするタイプの機器は2万円以上するため、負担が大きいでしょう。DJI製の新しい製品は、ファームウェアのアップデートにより、外付けすることなくリモートIDを発信できるようになりますので、これから空撮用ドローンを購入する際はDJI製が有力となりそうです。
DJI製ドローンのリモートID対応機種に対するリモートID書き込み方法はこちらから確認できます。
ドローンの規制14:その他
これまで触れてきた規制以外にも、特定の場所においてドローンの飛行は自粛するようお願いされているケースもあります。何度も述べてきましたが、飛行前には、飛行予定ルートに含まれる場所の管理者へ必ず確認するようにしましょう。
九州・佐賀で飛ばせる場所の見つけ方
ここまで見てきたように、ドローンの飛行は自由度が高い分、様々なエリアで制限されています。規制だらけで飛行可能なエリアを見つけることに苦労している人も少なくないでしょう。
そこでおすすめしたいものが、国土地理院がWeb上で提供している「地理院地図」やドローンマップアプリです。人口集中地区(DID)や空港周辺に該当するエリアを一目で確認することができます。
ドローンマップ①:DJI 安全飛行フライトマップ
DJIのWebサイトで利用できる「フライトマップ」です。飛行制限空域だけでなく、飛行練習におすすめの「飛行可能空域」も紹介されています。
また、DJI製品を飛行させる際の「緊急時の対応」や「点検項目」なども見やすくまとめられているため、目を通しておきたいですね。
ドローンマップ②:国土交通省の特別機関・国土地理院 地理院地図
先にもご紹介しましたが、国土交通省の地理院地図にもドローン飛行に重要な様々な情報が反映されています。
標準地図の上に、「空港等の周辺空域」「森林(国有林)の空中写真」「人口集中地区」を表示させると、ドローンが飛行できないエリアが色分けされます。
画面左上の「地図」をクリックし、「地図の種類>その他>他機構の情報」のリストから欲しい情報を選んでくださいね。
ドローンマップアプリ③:ドローンフライトナビ - 飛行制限確認地図
スマホアプリなら、「ドローンフライトナビ」が便利です。
人口密集地区・空港・ヘリポート・自衛隊基地・小型無人機など飛行禁止法により定められた禁止区域などすべての飛行禁止エリアに対応しています。
ログイン作業は不要で、アプリをダウンロードすればすぐに飛行エリアを確認できます。
ドローンを佐賀で飛ばせる場所の紹介
佐賀県内でドローン飛行を許可している場所をご紹介します。
佐賀市富士町:SAGA FURUYU CAMP
野外グラウンドのほか、雨天でも飛行可能な体育館もあります。
詳しくは施設へお問合せください。
上空シェアリングサービス「sora:share」
ドローンユーザーと土地所有者をつなぐ「sora:share」というサービスもあります。佐賀県内には2022年8月時点で10ヶ所ありました。周辺の口コミなど、ドローンユーザー同士の意見交換も可能ですので、一度覗いてみてはいかがでしょうか。
なお、佐賀市の天山リゾートは雪不足とコロナ禍の影響を受け2022年1月に廃業となりました。
佐賀で飛行させたいなら許可申請を
多くのルールが存在するドローンの飛行。飛行計画を立てる際には、入念な確認と許可取りが重要であることがお分かりいただけたでしょうか?
100g未満のドローンには航空法の規制は適用されないため、まずはドローンに触れてみたいという方は、99g以下の製品から始めることをお勧めします。
また、室内や屋内でのドローン利用は規制の対象外なので、練習のために体育館などの施設をレンタルする方法もあります。
ドローンに関する法律は常に改正されており、ドローンの利用規制は今後どう変わるのか注目されるところです。
2022年12月以降、ドローンの国家資格が導入されることも決定しています。飛行のための技術習得がメインのように見えますが、トラブルを起こさないためには飛行前の確認や機体の点検がとても重要な作業なのです。
安全な運用のために、いつでも気軽に相談できるパートナーでありたいと思っています。佐賀で取得できるドローンの国家資格はHI-ZEN DRONE SCHOOLへお問合せください。